の満足の不安

こちらの相談もチャットでいただきました。簡単にまとめさせてもらっています。


付き合って一年二ヶ月になる彼氏は人並み以上に性欲が強い方だと思います。

最近セックスの際に痛みを感じるようになってしまい、頻度が以前に比べ激減しています。(以前は2日に一 回、現在は一週間から10日に一回)

彼のサイズが少し大き目という事もありますが、原因は指なのではないかと思います。中に傷が出来ているような痛みです。
実は、去年の夏からカンジダ膣炎を患い、痛みはその後遺症かもしれないと思っていますが…
彼には医学的知識もあり、膣炎の事も怪我の事も知っていて、とても気遣ってくれます。一ヶ月くらいは、すごい状態になりながらもガマンしてくれていました。

私自身はセックスは今のペースでも大丈夫なのですが、やはり彼にとって満足にセックスできないと言う状況はつらい事なのでしょうか。





ずかしながら、僕も性欲が強い方だと思いますので、彼の性癖にとやかく言う資格は持ち合わせていません。 「彼女の体も気遣ってやれよ」としか、言う事が出来ません。
しかし、相談者と彼の状況を聞くに連れ、某かの「違和感」を感じたのは事実です。
誤解を恐れずに言うと、「この人(相談者)達は、普段どんな会話をしてるんだろう?」と思いました。つまり、MIKOらに相談という形を取りながら「相談者自身がどうしたいのか?」が全く語られていないところに相談者と、その彼氏の関係の「寂しさ」を感じてしまったのです。

よく「まったく、女(男)ってのはわかんないなぁ」と言う言葉を使う人も居るでしょうが、僕も時々使うのですが。
ある日「じゃぁ僕自身は男を理解してるのかな?」と思いました。
・・・・してないですね。よく考えればしようともしませんでした。
さらに考えれば、「わかんないよなぁ」を使うのは、恋人か、好きな異性に対してしか使わないんじゃないでしょうか? 恐らくに、相手が同性でも異性でも、相手を理解しようとするための難しさは、対して変わらないと思います。
と言う事は、恋愛と言うものは、人間がもうひとりの人間を心底理解したいと思う事なんだ! ナベケン二十歳になり立ての頃、喫茶店でノートに色々書いてた時に思った言葉です。

で、気持ちが通じる時もあり、喧嘩する時もあり。その都度くだらない事で喜怒哀楽する事、それを通じて少しずつ相手を理解して行く事、その事自体が恋愛の醍醐味だと、僕は思うのですが、 なんだか、相談者のコトバからは、自分の体調を無視したSEXの要求に応えてまで、彼との衝突を回避しようとする姿ばかりが見えてくるのです。
僕は基本的に「おせっかい」(いらんことしいとも言う)なので、どんどん想像を膨らませて、相談者達の間柄に「寂しさ」を感じてしまったのです。 間違っていた場合にはいくらでも謝る用意があります。

僕自身の経験からで申し訳ないのですが、昔、恋人とある約束をしていました。 理屈っぽい僕と、ワガママを自認する彼女は、「喧嘩した時はとことん話し合う」ことにしていました。彼女の「嫌だから嫌なの!」を事 細かに掘り下げたり。「抱っこやキスで誤魔化すのは反則!」と言い返されたり。はっきり言って、非常に体力が要ります。けど、「お互いがお互いを愛しく思っていると言う点は絶対同じなのだから」と信じて、根気よく妥協点を探るうちに、問題は「先週は3日お泊りだったのに、今週はまだ1日しかない」とか、些細な事が 原因だったのが殆どでした。

僕等の方法が良いかと言えばそうでもないかも知れませんが、きちんと「傷のためSEXは控えたい」と言わなきゃ、何も前に進みませんよ。それでも彼が自分の性欲を優先させる様なら、無責任な言い方かも知れませんが、別れた方が良いと思います。
心理学者の岸田秀は、恋愛を芸術作品に喩えています。それ自体は大して価値の無い材木を彫りあげて、芸術作品としての彫像が出来上がるように、恋愛だって根底にあるのは幼児的な願望や、手前勝手な期待、性的な 好みや打算、その他諸々ですってば(笑)。 相談者と彼氏がしているSEXにしても、相談者がそれを「愛情」と取るかどうかの違いで、本質的には痴漢と同様の欲望をもった相手に、同様の行為をされてるんですから。(暴言多謝)芸術作品が受け手次第で価値が変わるように、恋愛も普遍的な正解はありません。


こんだけ引きずって、これだけの結論で申し訳ないが、一度、彼氏と徹底的にぶつかってみない事には何も進まないと思います。

ナベケン

めに申し添えておきたいのは、こういう態の相談内容を公表する場合ケーススタディーとして読むに足るものであるべきと考えている事です。
個人的には前掲文以外の背景を相談者から聞かせて頂きましたが、勿論直接の面識はありませんし、細かい状況については解りかねる部分も数多く存在します。ですからある程度の推測に基づく所見もきっと許されるのでしょうが、拙文を読むのが相談者を含めた不特定多数である以上は前掲の相談内容から直接演繹出来る内容だけを扱おうと思います。

 相談者の恋人についてはよく存ぜないですが、自分の彼女が自らの性行為が原因で怪我をし性行為自体が苦痛であるという状況に於てですら己の性欲を優先させる程の性欲については理解出来ません。長期間恋人と性行為が出来ない事が辛いかどうかは余りに個人差のある事なので断言は避けますが、その彼氏が「人並み以上に性欲が強い方」であるのならば、それなりには辛い事なのではないでしょうか。しかし上記の文章だけから考えるに、彼にとって相談者はフェミニズム的な位置付けとしては「性の道具」としてだけの存在にも思えます。彼に医学的知識があるのならば尚の事パートナーの体に付いて慮る事が出来る筈なのにそれを無視し続けているというのは「(男性の方が)辛いか辛くないか」という以前の相談者と彼氏の関係が畸形である様に推測します(世の中思慮深い人間ばかりでは無いので持っている知識を行動に活かす事の無い人もいるでしょうし、思慮深い事が美徳な訳でもありません。自分の医学的知識を彼女の為に活かす事が無くても、それを以て余りある魅力がその彼氏にあるのかも知れませんが、彼を見知っている訳ではありませんのでその事に付いては触れられません)。

 原因の一つには相談者が彼氏の(実際に望んでいるかどうかに関らない)期待に応えようとし過ぎる点にもあるのではありませんか。相手が辛くなる以前に自分に実害があるのだから断固とする態度を示すべきなのでしょうが、それをしていませんよね。
勿論相談者はそれに対し損をしている様な気持ちにはなっている事は想像に難くはありません。実際に苦痛を伴っているのであろうからですが、それを以てして何故相談者が「彼が満足できる様な交合が出来て居ないのでは無いか」と男性側の満足を優先しようとするのかが先ず疑問として残ります。

今までに判っている情報から察するに、その彼氏は相談者との性行為に対し何のリスクも負っていません、しかし相談者には苦痛のみならず症状の悪化などその他にも色々な懸念が考えられます。そういった前提からして不平等な関係の上で尚、相手の期待に応える義務が本当にあるのでしょうか。そもそも期待なんていうのは無根拠な一方的希望に過ぎないと思うのです。相手の期待に応えたい場合も確かにあります。しかしそれは自発的に思うものであるでしょうし自分の権利として行うものと考えます。期待などという形のないものに自由を奪われる必要はないと自覚するべきなのでは。

彼氏が今の状況下での性行為に罪悪感を感じていると言ってくれているのであれば(それが本心かどうかに関らず)、相談者は自分の為にそれを感じさせない状況を作った方が良いでしょうね。性交によって怪我が治り難いのであれば怪我が治るのを待てば良いんです。「相手に待たせる」のではなく「自分が待つ」と考えてみては如何ですか。そしてその怪我を治す為の状況を作る為にも先ず、自分が何を望んでいるのか、どういう状態が自分にとっての理想かを今一度考えてみる事を優先してみましょう。

ジルカ@SPECIAL GUEST